丹精込めた北山杉を、有名な床柱として日本全国の和室空間に納めてきた
歴史をもつ中田家です。
北山杉達は、元気に生きていました。
その中で、人間よりはるかに長く生きている木を抱きました。
そのとき私は木に抱かれました。

今回は木のすばらしさに出会う小旅行でした。
北山杉の色、艶、光沢の美しさ、木目の妙、手ざわり、優雅さ、温かさ、
ほんとうにすばらしい天然の美です。
中田さんの木の畑には、1haに6000本、それが60haあるらしいので、
全部で36万本ぐらいでしょうか。すごいです。

優良品種のさし木畑を見せていただきました。修学旅行の中学生達がここに来て
手伝ったそうです。3年目になると、校庭に植林をする約束をされたらしい。
中学生達の20年、30年後がとても楽しみなことです。
6〜7年目から枝打ちを行い、その後3〜4年に1回の割合で枝打ちが行われる
そうですが、10m以上の高さでの枝打ちは、鋭利な鎌を高所で扱うため、
相当危険が伴う作業となるそうです。
ベテランの人は日に50本ぐらい枝打ちをすると聞かされて、びっくりしました。
磨丸太は9〜10月に根切され、枯葉をつけたまま約1か月山に置き、
葉から内部の水分を蒸発させるそうです。最近はヘリコプターで搬出することが
多いと聞いて、これもびっくりしました。
皮はぎは最近は水の圧力でやっているそうで、その皮で創った和紙がなかなかの
風合いらしい。背割りをしたり矢入れをしたり、乾燥させたりして、
最後に磨き洗いをします。
仕上りの悪いものは漂白するらしいが、天然の艶がなくなるので、
これを用いるのは避けた方がよさそうです。
北山杉の絞丸太の美の鑑賞方法を教えていただきました。

天然絞、天然出絞、ちりめん絞、その他先代のお父様の名づけた名前が今も
流通銘になっています。
人造絞も見せてもらいました。天然のものを模して作られるのですが、
杉丸太の立木にハシ状の材を針金で巻きつけて、2年程そのままにすると
出来上がります。天然絞よりはるかにめんどうな工程の入るこの材のほうが、
安いのは、どうも納得のいかない話ですが、事実です。
天然ものは、自然のワザですが、人造絞は人間の作者と自然のコラボレーション
なので、それもとてもすぐれていることになると思うのですが・・・。

中尾山宗蓮寺から北山杉の山々のすばらしい景色を見せていただきました。




北山杉で創った山の中のログハウスのレストランで、とてもおいしいハンバーグ
をいただきました。ワインも。



村の庄屋さんの古民家を見学させていただきました。

京都の御所からの狩りの客人も招き入れたそうで、ふすま紙の文様がすごい。


虫の喰った床柱を粋と見立てて使っています。



ほんとうにお世話になりありがとうございました。
草餅のお土産までいただき、申し訳ございませんでした。
北山杉がこれからどのように活躍するかは、私たちのものづくりに課せられた
テーマだと思います。
次世代にすばらしいものを残してゆけるようがんばりたいと思っています。
工芸作家の加藤さんもおつき合いいただき、ほんとうにありがとうございました。
生き返る様な素晴らしい一日でした。